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谷口ジロー展に行ってきた。鼻血が出るかと思った。

谷口ジローとは

テレビ東京系列で放送されている「孤独のグルメ」のドラマの原作マンガの作画担当の漫画家です。「孤独のグルメ」は久住昌之が原作、作画を谷口ジローが担当していました。

文庫サイズで2巻出てますね。とりあえず、Amazonのリンクを貼ってみましたが、2巻を読んで記憶がありません。

「孤独のグルメ」でさえ「2巻を読んだっけかな?」と言ってる、この時点でお気づきかと思いますが、りょうすけくんは「谷口ジロー」については全くの素人です。

「孤独のグルメ」だけではなく、作品には2010年以降ドラマや映画などにも使われていたり、海外で話題になっているものもあるそうな。本当に何も知らなかった。

では、なぜ「谷口ジロー展」を知ったのか、来たか。単純で、ネットで話題になってたから。2017年に亡くなって、その後の原画展開催を知ったのもネットの話題。話題になった理由は「頭おかしい(褒めている)絵」だから。

ちょうど休みを取ったので朝から10時入館の予定で世田谷文学館に移動した。初めて芦花公園駅を降りました。京王線もすっごく久しぶりに乗りましたよ。

駅からは徒歩5分ぐらい。住宅街、介護施設が広がる街にちょこんと存在する世田谷文学館。

建物に入るとお土産ショップとチケットショップの先にラウンジがあります。チケットを買ってラウンジを見ると、井之頭五郎の立て看板がありました。一人で来たのでツーショットは無理ですね。自撮り?いや、今日はやめとこうかな。

今日は、「谷口ジロー展」について、りょうすけくんが感動したところをまとめたい。

トーン描写力

まずこれを見ていただこう。もう作品の名前すらメモし忘れたんだけど、スタジアムで開催されたボクシングの試合の1シーン。この原画の前で5分動けなかった。ずっと見入ってた。

動けなかったのは、二人のボクサーとリングの後ろにあるスタジアムの背景。

最初に見たところ、ペンか筆でスタジアムを書いて、色を薄く見せる白点描のトーンを貼って雰囲気を出しているのかと思った。よく見たら…この背景に鉛筆もペンも入ってない。

しまった。このスタジアムはトーンだけで描いてやがる…。

すでに「トーン」という言葉は出してしまっていますが、「トーン」とは細かい点の集合や網掛けで模様を作る粘着シートの事。細かい点の密度が高ければ黒に近いシートになるし、密度が低ければ薄いシートになる。

トーンについて、調べてたらとっても参考になるページがあったので参考資料として以下にリンクを貼っておきます。

上記の画像はAmazonから持ってきたもの。左のが点を集めて色が付いているように見える「トーン」。これは半透明のシートで、ペンやインクで描かれた漫画原稿の上に貼っても下の線は見える。シートを色を付けたいところに貼って、カッターの先で「点」を削ることもできる。

どっかから拾ってきた画像で恐縮だが、削ると以下のような模様に線を引くことができる。

「点」を集めたトーンの他に、上のトーン画像右の模様を用意した「トーン」も購入することができる。りょうすけくんの記憶が確かなら、1990年にこういう模様のトーンは売ってるところを見たことがないなー。

このページは3段階のトーンを使って構成している。原画展ではこういう「トーンの切れ目」も見どころです。以下、右の画像には「切れ目」に赤い線を引いてみました。

以下の画像には3段階になってる「切れ目」に線を引きました。「点」の密度の違うトーンを重ねると、重ねたところで別の模様ができる「モアレ」という現象が見えるのですが…そこはちゃんと計算して貼ってる様子。全然「モアレ」は見えません。さすがです。

こういうトーンだけの絵を作ったことがないのですが、予想するに制作はスタジアムの写真か、絵を描いたシートを用意し、その上から「トーン」を重ね、カッターで削って模様を作っていったんだと思われます。

もしかしたら、トーンと絵の間にプラ板を挟んだかも。あと、トレース台を一番下に置いているかも。

1頁の構成で削り間違いは結構目立つもの。かなり集中して作られたページだと思われます。本当に頭おかしい。

トーンだけのページは結構展示されます。これが1ページごとにすごくて、そのページの前の滞在時間が増えてしょうがないw。あんまり人の集まらない原画展で本当によかった。

次の1コマ目の背景もトーンだけで描かれているコマです。雪の白い点は修正液をポツポツしているところで、トーンは削っていませんね。

以下のページの2コマ目、人物の目に映る花もトーンだけで描かれています。花の雄しべ・雌しべもトーンだけで描かれていて…本当に頭おかしい。

以下の人物が空を浮遊しているシーン。空と地上の模様はトーンだけで描かれています。セリフ「さよなら」の周りの吹き出しはペンで描かれていました。

極めつけはこの山岳見開きページです。もうなんだこれ、ってぐらい頭おかしい。これも、右下の吹き出し以外はトーンだけで描かれています。

りょうすけくんとしてはトーンの達人は「シティーハンター」の北条司なんですが、もっとすごい人がいたんだ、と自分のアンテナの低さを反省しまくりです。

りょうすけくんはここ20年ぐらいまともにマンガ雑誌を読んでいないので、もっとトーンの達人はいるかもしれません。りょうすけくんの知見の中では、ということでご容赦ください。もしくは、「もっとすごいのがいる!」という場合はコメント欄にてご教授いただければと思います。

細かい描写力

今回の谷口ジロー展で驚いたのはトーンだけではありません。ネットでの他の来場者のいう通り、細かい描写に目を見張ります。

以下は犬を扱った作品の1ページ。120mの谷を飛び越える犬のページですが、この臨場感と言ったら…。

下の方の煙みたいなのはガーゼを丸めて朱肉にポンポンして適当な紙で様子見して原稿にポンポンしていく手法です。もちろん手前の地面にはかかってはいけないので何らかの蓋をしてマスキングして行ったのでしょう。

なによりも向かいの崖の側面の線。A4の原稿でこの細さは異常です。

カブラペンやGペンでは出せないので丸ペンを使っているかと思います。以下も適当にWebから拾ってきたものですが、漫画を描くペンは、ペン先というインクを付けて紙に線を描く消耗品の部品を、ペン軸というスティックに刺して作ります。ペン先の種類はG、丸、かぶらが多く使われるそうです。

「パタリロ!」や「翔んで埼玉」の摩耶峰央先生はカブラペンを使ってあの線を描き、5~6ページでペン先が潰れるので交換するという話を聞いています。(参照: 摩耶峰央原画展(1/4部)に行ってきた。)

谷口先生はこのページだけで丸ペンを何本消費したのだろう、と思いますね。

ほかにこのカラーページ。

実はこのページは、一般的なA4サイズの漫画原稿ではなく、B5サイズが使われていました。これでこの細かさ。雨が白い線で描かれていますが、どのように入れたのか気になります。当時の修正液はまだ粘度が高く、細かい線を描くのは苦手だったような気がするのですが、どうやって描いたのだろう。プロは薄めて丸ペンで描いたのかな…。

この馬と海から上陸するシーンも圧巻です。ここはさすがにトーンだけで描かれていませんが、まるで「波打ち際のデザインのトーン」を使ったかのような、こまかくて、きれいで、本当に海の写真を使ったんじゃないの?と思うページです。このページは、5分動けなかったな。

重ねて貼られたトーンも本当にきれいだし、なみの高低差が、白波の影も立体に見えるこの描写力。本当に、本当に頭がおかしい。

次にこの街のシーン。

この細かさ。デジタルな今の世界では写真を持ってきてツールの機能で線にすることはできます。ですが、そんなのまだ全然一般的じゃない時代のアナログなページ。しかもトーンが貼られている。

高層マンションも1フロアごと描かれていて、街が活きているようです。

写真をトレースするにしても、もうちょっとアップにして「さぼる」ことができただろうに。連載作品でこのクオリティは本当に頭がおかしい。

ちょっとした親近感

描写力から気づくこともあります。これは「歩く人」の一話。

セリフがなく、絵だけで見せる作品らしい。主人公が歩いている風景で見せるので、やはり描画力が必要です。ですが、これを見てるとふと気づくことがあります。

これ、玉川上水から多摩湖自転車歩行者道を経由して狭山湖にいくサイクリングロードじゃないか?

見たことのあるトンネル、電車が横を走る風景。

踏切に分断されるサイクリングロード。そしえ坂道とたどり着く湖、その先に富士山。

これは、りょうすけくんがよくランニングに使っている多摩湖自転車歩行者道から狭山湖に行った際に見られる光景。見慣れて風景です。

この富士山もトーンだけで描かれていますね。

って、「多摩湖自転車歩行者道」だと言い切ってるけどまだ確証を得られていません。作品も読んでないから。しかし、描写力からランニングで見慣れた風景を連想させている可能性は否定できません。

ルーブルの案件

世界的にある程度の評価を得てる谷口ジローはフランスのルーブル美術館からのオファーがもあったそうです。それが以下の原画。

カラーで描かれたそれはこれまでのトーンでの表現とは異なります。貼って剥がせるトーンと違い、塗ったら修正はほとんど難しいカラーページでのこのクオリティ。

小さなコマも手を抜いていません。まるで写真かのような細かさ、色使い。水彩絵の具を使っているのでしょう、薄くて綺麗な色が出ています。いや、比較的最近の作品だからコピックで塗ってるのかも?

食べ物の描写も、「孤独のグルメ」でモノクロで見せつけた実力をカラーでもまるで本物のように見せます。下の画像、生ハムの皿の横のグラスが本当に水が入ってるように見えます。

もうここまでくると劇画ではありません。漫画でもありません。絵画です。

ネームと原稿

原画展といえばネームと原稿の比較コーナーはお約束です。ネームとはコマ割りやセリフ、大まかな風景を描いた下書きの下書きみたいなもの。以下のようなものです。

これを編集者に見せて説明し、双方納得すればペン入れ作業に入ります。仕上がったのが以下のページ。

こういうネームという設計段階から完成形も併せて見られるのもなかなかないことです。普通、ネームなんて世に出てきませんからね。

谷口ジロー展を見終わって

10時に入館して12時すぎにショップでお土産を買いました。展示を見るのに2時間かかりました。点数はそんなに多くありません。見入ってしまったのでしょう。

捨てコマのない展示を並べられたらそれはしょうがありません。

雑誌「東京人」が谷口ジロー特集だったので、不勉強を反省して購入しました。あとルーブル美術館のオファーで描かれた「千年の翼、百年の夢」がカラーの大判とモノクロの文庫版が並んでいました。

カラー版をついふらふらっとレジに持って行ってしまいました。

帰宅後、見直してみましたが…やっぱり生原稿にはかなわない、印刷された乾いたカラーページがそこにありました。

谷口ジローを本当に知らなかった。知らなかったことで、つまらない人生を送っていたなと反省中だ。

最近はWebマンガとかでとにかく多種生産、デジタルリリースでマンガ作品がだいぶ手軽に生産されて消費されている気がする。手軽に生産されるために絵が雑だったりするのだが、それが悪いわけではない。絵は雑だが内容が濃いということもあるから。

一方、読者側もカジュアルに作品に接するようになってきてる気がする。漫画作品も多いので、漫画が消費物になった傾向もある。

りょうすけくんも多分に漏れず、だいぶ最近に「孤独のグルメ」の原作マンガを読んだために、「孤独のグルメ」にあった谷口ジローの「芸術性」を見落として、ストーリーだけを読んでしまったようだ。そのため、谷口ジローの他の作品に触れられなかった。これが本当にモッタイナイ。

読み手も、漫画の消費社会におぼれず、ちゃんと作品を一コマ一コマ味わうべきだな、と反省した。気づかせてくれた谷口ジロー先生には感謝しかない。

この原画展を見てしまったら、デジタルが主流になりつつあるマンガ作成業界において、アナログで見せつける作家も応援していきたい。もちろんデジタルも悪くないが、デジタルだとわからせない技術も必要じゃないかな、と思う。

「ゴールデンカムイ」とかは、デジタルの特徴が出過ぎてて微妙に面白い。(悪いとは全然言ってない)

マンガを楽しんでる人、谷口ジローという作品を見たい人、漫画に触れている人にはぜひ足を運んでいただき、驚愕して、「頭おかしい」と思っていただきたい原画展だった。2022年2月まで開催しているとのことなのでぜひ行ってほしい。

りょうすけくんも….もう一回行こうかなぁ。

ハロウィンホームパーティー、「きき”うまい棒”」選手権

すっかり日本でもハロウィンが根付いて、コロナ禍で渋谷にキャリアが集まらないか心配するレベルになっております。たかが祭りでマスコミがそんな心配をしているレベルで平和ですよね。世も世なら、国も国なら集まる者を問答無用で射殺されることもあります。そう考えれば平和です。

我が家は、そりゃぁ平和にハロウィンを楽しみます。

そうですね、不思議の国のアリスと妖精のコスプレをしたお化けが家に迷い込んできた程度に平和です。

イタズラされても困るので、クレープを作ってもてなしておきました。

うちにはクレープ焼き器があるので、皮のタネさえ作っておけば対応できます。もちろん具も、野菜なりハムなり、フルーツなり、チーズなり用意します。

ジャンクフードもありますよ。チキンナゲットやポテト。「業務スーパー」で買ってきた最強冷凍食品ですよ。冷凍されたまま油に投入して揚げるヤツ。

今回は大人用にコロナビールだってつけちゃいます。これでコロナが壊滅すれば安いもんですが…なかなかそういうわけにもいきません。

今回の目玉は「私が食べたうまい棒選手権」です。

「おやつのマチオカ」で二本ずつ購入した「うまい棒」を並べ、参加者は目隠しして食べて、自分が食べた味を言い当てるゲーム。そう、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」でやってた企画のパクリです。

目隠しして一切れ食べて、それを味わってどの「うまい棒」か言う。これが意外と難しくて、サラミ、サラダ、チーズ味は目隠ししてると味の差が微妙ですよ。

このゲームを缶コーヒーとかでやってる芸能人は本当にすごいな、と思いました。

あ、不思議の国のアリスと妖精の小悪魔には満腹になってもらって帰ってもらいました。ありがとうございました。

コロナ禍なので、自宅で夏祭りだ~。

ある日、雨がすごかったので妻ちゃんを職場に、次女ちゃんを保育園に、長女ちゃんを学童に送るために車で出掛けたのよね。家族全員朝から一緒にお出かけです。これ、実は我が家ではよくある風景ですね。

車の中ではEテレを流してる。「いないいないばぁ」を見てたら、はるちゃんとワンワンが輪ゴムで作った焼きそば・梱包材のプチプチで作った焼きトウモロコシ・何で作ったか忘れた焼きイカで夏祭りゴッコしてた。

それをみたりょうすけくん、このコロナ禍で思うことがあったのか、ボソッと「うちでも夏祭りゴッコするのもいいねぇ。」とつぶやいてしまい、それをムスメが聞いてしまったのが発端。

COVID-19の中、近所の夏祭りも、田舎の夏祭りも中止。家の中で祭りをするなら誰にも文句を言わせないよ。なぁ、そうだろ?

「夏祭り」をやるよ、っていったらみんなが思いのほか盛り上がる。長女ちゃんは段ボールと色紙を使ってなんか用意しているし。

妻ちゃんはアトラクションとして投げ輪や射的を用意して景品まで買ってきた。100円ショップで買ってきたものだけど、子供たちにはとってもよい商品に見えた様子。もう子供たち盛り上がりまくり。

とりあえず、家族みんな浴衣着てます。今年初浴衣。いいよねー。

りょうすけくんは、アトラクションじゃなくてテキヤ担当。メニューを作って食べ物を提供します。

この「夏祭り」にあわせて「ご当地通貨」も用意。子供たちが買える程度の「通貨」を渡してアトラクションや食べ物購入ができるようにしました。

食べ物は焼きトウモロコシ、焼きそば、フライドポテト、から揚げ、冷やしキュウリ、チョコバナナ、かき氷など盛りだくさん。

かき氷は天気も悪かったので一回も出ませんでしたね。テキヤってむずかしいわー。

今回初チャレンジしたのはイカ焼き。近所の「業務スーパー」で冷凍イカを買ってきて、切れ目を入れて、醤油・酒・味醂で漬けといたのをホットプレートで焼くだけ。

これがなかなか雰囲気出すんですよ。簡単なんで「家祭り」する人はぜひやった方がいいですよ。

焼くだけで「祭り」の匂いがします。

祭りが終わって、片付けして、家族がみんな寝て、りょうすけくんだけちょっとのんびりしようかなとビールを開けた時にこれを見つけました。

長女ちゃんのメッセージです。「祭り」をやってよかったな、って思いました。

…長女ちゃん、そういうところくすぐるの上手じゃね?

ご家庭夏祭り、なかなか簡単にできるのでよかったらどうぞ。

姪っ子の2歳誕生日会

妹の長女ちゃんが2歳の誕生日を迎えるんですって。9つ離れた妹が結婚するのも驚いて、出産したことも驚いたものですが、その子もすでに2歳。

9つ離れた妹はもうりょうすけくんにとっては自分の子供のように思ってましたからね。妹が結婚するってだけで自分の娘が結婚するぐらいの感涙ものでした。いや、ほんと。

その子も順調に育ってて2歳。たまにしか会わないけど、会うたびに近づいてきて遊んでくれるのがうれしいんだ。かわいい盛りを楽しめてるのがいいんだ。

その子の母である妹が誕生日会するから、とご招待してくれました。

東京の親のマンションに来てテーブルに出てきたのはミッフィーっぽいハムやチーズが飾られたマッシュドポテト。すごいボリュームぅぅぅぅw。

このウサギ型すごいなぁ。

他にもいろいろオカンや妹が作った料理が出てきましたが、英断の割愛を実施しますね。(ちゃんと紹介しろや)

主役の2歳児のメインメニューがこちら。ごうかプレートですね。

皿の下にある一見「マグロ握り」っぽいのはトマトの皮の握りですって。芸が細かいっ。

主役をしっかり楽しませて、生まれて数か月の主役の弟もしっかり遊ばせていただきました。

ご招待いただきありがとうございました。