「福島第一原発潜入記」を読んだ。

ネットで話題になってたのでアマゾン経由で買ってみた。

元「噂の真相」記者の著者が、2011年3月11日の東日本大震災以降、厳戒態勢であるはずの福島第一原発に6月に侵入しMOX燃料を有する3号機まで50m程度の距離まで近づいた、というドキュメンタリーと、福島第一原発対応作業員へのインタビュー、原発作業員へのインタビュー、原発を追ってるフォトジャーナリストへのインタビューで構成される。

福島第一原発の警備・認証が脆弱過ぎるのを証明するのはこのドキュメンタリーと表紙の3号機とのツーショットですべて物語ってる。震災被害で弱ってる日本、福島に今プラスチック爆弾を持ってこられたら、などのテロを考えるとドキドキせざるを得ない。

福島第一原発作業員インタビューは、週刊誌の中吊り広告見出しに出てたように、ワケアリ人が多数現地で働いているのを目撃されているのと、実際インタビューを受けているのがそういうワケアリ人ばかりなのが「ああ、本当だったんだ。東京電力の社員で作業してるのは多くないんだ」って思う。そして、その人たちの作業環境の放射性物質への対策はとても人と扱われていない肉声が読める。インタビュー的には、今まで聞いてた原発作業員への噂らしい話が実は噂じゃなくて現実だったようだ。

インタビュー記事中、気になったフレーズがあったのでピックアップすると、まず「災害時の公共工事は、先に現地に入って作業を開始した業者が受注するのが慣例です」という言葉。うん、どっかで聞いたな。近い人が実践してた気がするわ。でもそういう業者がいないと道路を復旧できないってこともあるから重要な存在だとは思うよ。

続いて、原子力発電所で作業者、具体的には鳶職で、足場を組む作業員へのインタビュー。驚いたのは152ページにあった「原発の場合(足場の)図面がない」という話。炉心周辺には無数のパイプがあるが足場を組む図面を電力会社は描けないのではないか、という。ホントかよw。あと、福島第一原発にカバーをかける作業についての返答で「福島第一原発で作業はしたくないが、カバーを張る作業については興味がある」という技術者的意識。うん、職人だね。

原発フォトジャーナリストのインタビューでは、この原発事故からずっと思ってたことが書いてある。それは作業員の人権。作業員の人権は本当に守られているのか。現状、原発作業員も福島の住民、放射性物質が届いている地域の人権も「東京電力」という企業を守るために踏みにじられていると認識してる。東京電力と菅直人だけは絶対許さない。あと、現福島県知事、お前もだ。国や地域の今も大事だけど、未来を考えてない政治家はさっさと辞めるべきだよ。

最後に、この本の中で紹介されている原子力関連の映画タイトルがあったのでメモ程度にピックアップする。できれば観たいと思う。

  • 「太陽を盗んだ男」
  • 「コミック雑誌なんかいらない」
  • 「チャイナシンドローム」
  • 「原子力戦争」

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