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魔夜峰央原画展(二期)に行ってきた。衝撃の事実を知ることになる!

やってきました摩耶峰央原画展の二期。今回は「短編怪奇マンガ特集」とのこと。連載でも怪奇モノが多いけど短編もたくさんある摩耶先生。今回はなにを見せてくれるのかとおもったら…やっぱり来たよスゴイのが。

18ページの作品「怪奇生花店」が全ページ原画で展示されています。

ある花屋の花が怪しくキレイで、どうにかして取り込みたい競合店のマスターが秘密を探ろうとするがバレちゃって、気がついたら自分が花の根になってました。実は怪しく美しい花は生物を栄養にしてました、って話。

まずこれを見てほしい。ホワイトの箇所だ。

この18ページ中、ホワイトが11箇所しか無いってこの超人ワザ。表情一発描きとか本当にすごい。りょうすけなんて素人絵だけど、表情結構書き直してるのよね。

洋服やカーテンの模様、濃淡もホワイト使ってないとか…もうこれはトーンかなにかなのか?見えないけど切れ端があるのか?って思ったらコレ。

「このときはトーン使ってません」発言来た!ああ、天才ってこういう事ができるんだ、って思い知らされます。この黒目のところなんてトーンだと思ったけど、よく見たら手書き。これぐらいの領域ならトーン使わないか。

先生は「才能なんてなくていい、センスがあればマンガ家になれる」といいますが、そのセンスは才能だと思うのですよ。

そして今日の驚愕の事実がこれ。エル、知ってるか?

摩耶峰央先生は、バラを自分で描いてない。

…めっちゃバラあるのに自分で描いてないんだ…。先生、力抜くとこがちょっとずれてませんか?

摩耶峰央原画展は4期に分けて2019年1月まで開催されます。興味をもったら観に行こう!

摩耶峰央原画展(1/4部)に行ってきた。

明治大学の米澤嘉博記念図書館で摩耶峰央の原画展が展開されている。10月から2月の間に4期開催予定で、各期で展示物が替わるようだ。先週は摩耶峰央本人が来場しトークショーも開催されたらしい。まったくうらやましい。

しかしこの展示会は土日祝日月曜金曜のみ開催される。平日の火曜・水曜・木曜はやってない。社会人に冷たい展示会だなぁ。そして、第一期が今週金曜日まで。ギリギリになると混みそうなので、月曜の今日に都合を着けて行ってきた。

まず、明治大学の施設ならJR御茶ノ水駅近くかな、と思ったら結構入り組んだ道を進んで「ここが大学の設備?」というビルにその米澤嘉博記念図書館はあった。

そして、この米澤嘉博記念図書館もだが、米澤嘉博氏という人も知らなかったので、図書館の内容にだいぶ驚かされる。

なんでも、マンガ評論家だった人らしい。そして1975年の第一回コミックマーケット(以降「コミケ」)の設立メンバーだったそうな。だからコミケカタログがあんなにならんでいたのか。

たぶん、氏の蔵書のほんの一部なのだろうが、なかなか濃い書籍が展示されていた。2階の閲覧室ではこれらの一部を見ることができるのだろうけど、日大学生以外は登録が必要そうだったのでそれ以上は入るのをヤメた。

この米澤嘉博氏の常設展の横で摩耶峰央原画展が展開される。まずは1981年に描かれた自画像がお出迎えだ。下にスピーカーがついてて、録音された摩耶峰央先生の肉声が拝める。見えないのに拝めるって言わないかしら? 拝聴できる。

「ラシャーヌ」の原画や、「パタリロ!」の扉絵などが複数展示されている。見どころはやはり墨塗りのベタと繊細な線。そして修正液の少なさ。

下の効果音「グッサーッ」の周りは一度ペンで描かれてからホワイトで消しているのではなく、ペンで描かれる段階でフェードアウトさせている。それもココだけではない。展示されている原画のほとんどでホワイトがない。

吹き出しの中は写植後の鉛筆を消すためのホワイトで、先生の作業ではない。今回展示されている原画から見つけられたホワイトは「ラシャーヌ」のこの部分だけ。何を間違えてホワイトしたかも想像できない場所だ…。

展示されている原画の下には先生のコメントが掲示されているのだが、その中で一番驚愕だったのがこれ。

カブラペンはGペンよりは堅いので強弱がつきにくいにしても、あの線は絶対丸ペンだと思っていたら冒頭から否定である(笑)。6から7つのペン先から1本しか良いペン先が見つからないし、それでも5,6枚で交換するって、プロはさすがや。

堅いカブラペンであるが、一度ヘタるとGペンと同じぐらい強弱がつきやすくなるので、「ヘタる境界」でも線が変わらないということは腕のキープやペン先の高さの維持、力の入れ方が一定なんでしょうね。100巻も「パタリロ!」描いて腕の病気がネタにならないのはいろいろ気をつけてるんだろうなぁ。

また、先生はネームを編集に出さないことでも有名。ネームは台詞回しやコマ割り構成などを考えて、編集と相談したりするのに利用する台本。一応、りょうすけも月刊誌SoftwareDesignの連載マンガ「ひみつのLinux通信」では編集とやり取りするのに使っている。

今回はそのネームが展示されてた。しかも巷では名作とされているが、実はパタリロの強欲深さで一人の部下が死んだだけやん、という「FLY ME TO THE MOON」のネームである。ありがたやありがたやw。

ネーム以外に未公開作品としてラフ画像が展示されていた。

ラフや設定ノートとか(これまでの発言から)持ってなさそうなので、こういうのが残って展示されているのは貴重だと思う。

いやぁ、楽しかった。できれば、トークショーに参加して、「ひみつのLinux通信」に出てくる先輩キャラクターは先生の玉ねぎ部隊のインスパイアです!って伝えて公認とりたかったけど、予定があわなかったのでしょうがない。次の機会を狙います。

原画展示会はこの後、2月まで数週間おきに4期展示物がかわるそうなので、毎回行きますよ。

「ふうらい姉妹」(1)がもうカオスで震えがおさまらない。もっとくださいもっとください。

誰に教えてもらったか忘れたけど、ヨドバシカメラの電子書籍サービス「doly」で読んだ「ふうらい姉妹」(1)がすごい。

天然なイッちゃってるおねえちゃんと、一見まともそうで妹もやっぱりイッちゃってる姉妹のほのぼのした4コママンガ。

 

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右のコマなんて、4コマ目で「最初言えてたのに?」ってクールに思いつつ尊敬の念をもって姉に接する妹。
左のコマはそれを発展させて強度は減るものの想像力が半端ない。

 

 

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このゴリラも料理長も「食べちゃうな!」っていうお姉ちゃんの説得力すごい。

 

 

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その「しりとり」はいつ終わるんだよ!って突っ込まない姉妹。

 

 

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右のコマで時空を超える壮大なネタをやったと思えば左コマではイマイチ普通なネタで最後の4コマ目で「明日学校でひろめちゃって大丈夫?」という驚くべき妹の反応。

結論、「プロは4コマでも2つ、3つとコマを増やすように展開しててすげぇ」。