2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに発生した東京電力福島第一原子力発電所での事故とそれに関わってしまった人たちを取材した記事を、朝日新聞が朝刊で連載していたものを書籍化したもの。情報検証もせず政府発表を垂れ流し、判断もせずに国民を煽ったマスコミの朝日新聞が、どんな面してこういう本をまとめたのか、と思って購入。


続く2巻は、日本の原発導入と電力業界、望んでか望まずか核燃料リサイクル処理施設を受け入れた青森の話。原子力発電誘致を「関東軍の襲来」に例えるところもまた朝日新聞らしさが出ているようにも見えて微笑ましい。最後の、地元消防隊の津波からの救助、がれきの中での救助ができなかったことなどもう涙なしでは読めないよ。
1巻の「おわりに」に以下の記述がある。
この連載はいくつかの試みをした。(1)連続テレビ小説方式。日本の新聞は日々読者の手元に届く。少しずつ毎日読んでもらおう。次を読みたくなる書き方を工夫しよう。(2)事実にこだわろう。徹底的に事実を書き、主観は省こう。(3)分かりやすく書こう。凝った表現は要らない。官僚的な言い回しなんてとんでもない。(4)目線を下に置こう。施政者の目から見た動きではなく、普通の国民の視点で書こう。(5)官の理屈に染まらない。官僚たちは匿名性に守られている。霞が関ではそれが常識かもしれないが、そんな常識は取り去ろう。「〇〇省が言った」「〇〇筋が言った」という表現はやめ、〇〇省の〇〇が〇〇と言った、と書こう。
少なくとも個人的には「報道として当たり前のこと」をさも努力しました風がでてて気に入らない。朝日新聞さんは主観が入りまくって凝った表現しすぎてて、官僚的な言いまわしして国民の視点に立たないで匿名性に守られているからいしいひさいちの「ののちゃん」しか読まれないってことに気付くべきです。この記事を書いてた人はあたりまえなのかもしれないけど報道機関として、会社全体であたりまえにしていただきたい。ね!
二冊読んで、とっても朝日色のある書籍ができ上がったなーと思うも。しかしそこは大新聞社、取材量もあっただろうと思われるし、まとまってるようにみえる。これが、原子力政策によって起こった事実として後世に残しておくために、うちの本棚の肥やしにしておこう。