日別アーカイブ: 2017年3月9日

「#こんなブラック・ジャックはいやだ」が、マンガ経歴1.5年から産まれた偉業に恐れおののく。

「ブラック・ジャック」といえば、巨匠・手塚治虫の無免許医師のマンガ、最近では佐藤秀峰の医療漫画「ブラックジャックによろしく」が出てくる所。

今日は、手塚治虫の「ブラック・ジャック」の、いわゆる「イタコ漫画家」の作品「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」という作品。

2017年1月末に書籍版はリリースされていたんだけど、電子版を待ってたのよね。思い出してさがしてみた今日、Kindle版が出ていたのに気付いたので購入。書籍が出るまではもうワクワクドキドキ、勝手に電子版が出るまで待ってたけど、この作品は本当にヤバい。

#こんなブラック・ジャックはイヤだ (エヌ・オー・コミックス)
著者は「つのがい」という人。ツイッターでは https://twitter.com/sunxoxome/ でアクセスできる。
最初に作品を見たのはこれ。

誰かのリツイートで見たこの5コママンガだけど、1,2,4コマは松本零士風だけど3,5の手塚感に、今まで見つかっていなかった手塚ページが発掘されたかと思った。松本零士風だし、ギャグが手塚治虫らしからぬ作風から「あれ?手塚治虫っぽいけどこれ…もしかして田中圭一か…?」って思ったら、「つのがい」というアーティストの作品だったというね。

この書籍、ブラック・ジャックをネタにしたパロディ満載で、最初から最後までもう本当に素晴らしいんだけど、残念なことに手塚治虫作品じゃない。
いや、手塚治虫作品だけど、手塚治虫が執筆してない素晴らしい作品に仕上がっている。

悪役ロックや、ピノコのカワイさ、ブラック・ジャックの冷徹なツッコミ。
それが「つのがい」氏の腕で、それはそれは手塚治虫によって描かれているように見えるブラック・ジャックで描かれている。

手塚プロの凄腕アシスタントが今頃日の目を見たのかと思って読み進めると、巻末自己紹介ページに「1年半前に失業してペンを握ってみてマンガを書き始めた」と。

なんだ、ただの天才かっ

いや、ただの天才レベルじゃない。ここまで手塚治虫タッチをコピーして、オリジナルを崩さずパロディしきってキャラの性格も壊さない。
コレほどのパロディというか、二次創作を今まで見ていただろうか。いや、見てないっ!!(反語)

しかもこれ、途中までスマホだけで描いてたと。なんだ、やっぱり天才かっ

りょうすけは、中学生の頃にマンガを始めて、今はマイナーなITエンジニア雑誌で1ページ漫画を連載してるけど、20年以上マンガを考えてたけどコレほどの手塚クオリティは描けない。

吉祥寺に住むという、手塚治虫の娘にも見初められ、手塚プロ関連の仕事を受け取るまでになった彼の作品、よかったら一度手にとって欲しい。
これは、コピーとかイタコとかいうレベルじゃない。特に手塚治虫が好きだったというわけでもなく、とてつもなく面白いブラック・ジャックパロディとして完成された作品だ。何を言ってるかもうよくわかんないけれど、コレヤバい。