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「いぶり暮らし(1)」の話

「いぶり暮らし」というマンガを買いました。

客先に行く途中の時間つぶしに入った本屋で、魅力あるタイトルに引かれて購入したコミックスのタイトルです。ジャケ買いなんてすごーく久しぶり。

いぶり暮らし 1 (ゼノンコミックス)
バイトの男(24歳)とカフェ店長の女(26歳)が同棲生活を彩るスパイスとしていろんなものを燻製して食べるストーリー。

最近このようなグルメ漫画が結構流行ってますよね。お店に食べに行く系自作する系と分かれたりしてますが、りょうすけはどっちも好きです。しかし、りょうすけが読んでるものが偏ってるからかもしれませんが、この「いぶり暮らし」はイマイチな作品に見えました。燻製に焦点を当ててるのはとてもいいのですよ。このまま続けられるのか心配ですけど。なんでイマイチに見えるのか考えてみましょう。

まずはりょうすけが読んでるグルメ漫画を見てみるとして、「孤独のグルメ」ってありますよね。

孤独のグルメ 【新装版】 孤独のグルメ Blu-ray BOX
原作は一冊の単行本ですが最近は深夜にドラマもやってます。りょうすけも録画して毎週見てます。この作品は、オッサンが一人でひたすら飯を食べる物語です。身近な街の、行ったこと無い店舗に勇者のように入り、ひたすら美味しそうに食べるのは不思議なドラマに見えますが結構おもしろい。

この作品はとても共感できます。

次に、「めしばな刑事タチバナ」。原作がコミックで深夜ドラマにもなりました。

めしばな刑事タチバナ 1 [立ち食いそば大論争] (トクマコミックス) めしばな刑事タチバナ Blu-ray BOX
この作品は、刑事のオッサンがチェーン店からカップ焼きそば、ツマミの缶詰までウンチクたれながら飯の話をする作品です。牛丼チェーン店の歴史や立ち食いそば屋の話とか絶対他で使えない知識が得られます。いなばのタイカレーはこの作品で知りましたね。

この作品はとても共感できます。

次は「きのう何食べた?」です。

愛がなくても喰ってゆけます。 きのう何食べた?(1) (モーニング KC)
「愛がなくても喰ってゆけます。」を読んでからホモ漫画家のよしながふみの作品はチェックしており、この作品も具体的なホモ描写はないにしてもホモカップルが毎日のご飯を楽しむ生活を描いた作品です。

特にホモ生活に共感はありませんがご飯は生活に反映できるので面白く読んでいます

あ、わかった。「いぶり暮らし」がイマイチに見える理由がわかった。「リア充」マンガだからだ。燻製はしたくなるけど、描写される生活に共感できないからだ。いやぁ、りょうすけって心狭いんだなぁ

あと、30分温燻するからってコンロの火をつけたまま二人でタバコ買いに行くのはどうよ!?

あ、でもね。これはいいルールだと思ったんだ。

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BRUTUS 773号 「なにしろラジオ好きなもので(2)」

BRUTUS 773号マガジンハウスの雑誌「BRUTUS」がラジオ特集だ。だれかのTwitterを見てラジオ特集してるのを知ったので買ってきた。なにしろ、りょうすけがラジオ好きなもので。

朝起きてリビングに来たらラジオつけて、車のBGMもラジオで、昼間会社での仕事中での特に聞きたいものがないけどながら仕事したいときはRadikoで、夜仕事してる時もラジオでというぐらいラジオ生活してる。

ラジオを重宝しているのは時報してくれるし、ニュースも天気予報も交通情報もしてくれるし、なにより自分が持ってる曲以外もかけてくれるところ。

メインはJ-Waveだけど月曜夜だけはTBSにして伊集院光を聞いてる。最近はRadiko録音で通勤中に聞いてたりでちゃんとラジオ前全裸待機ではないけど。ラジオ好きをアピールしようとおもったけど、FM1局とAM1局を局地的に聞いてるだけではそんなに好きさを表現できてない気がしてきた。まぁいいか。

そんなブルータス773号が面白かった。

  • オールナイトニッポンのテーマは「ビタースウィート・サンバ」。B面の曲だったので「間違えて掛けたのが始まり」という噂があるが噂ではなかったという話。
  • J-Waveで一番下品ですごく面白かった酔っぱらい番組「みうらじゅんと安斎肇のGOLDEN TIME」、FM番組にも関わらず毎回はがき職人が駆けつけてたという話
  • FM TOKYOでやってたSchrool of Rockという相談番組は内容が濃そう。
  • 荒川ラップブラザーズ、うちにCDあるわー。福井でニッポン放送聞いてたって職人がでてるんだけど、愛知でもギリギリだったのに福井で普通に入るの?
  • 伊集院光はリスナーに与えるモノ以外に、映画とか物欲とかをラジオを理由に自分を満たすことで話す側のスケベ心を満たしているという話。
  • 宮本勘九郎が「想像力を鍛えられる、あのある種の”不親切さ”こそがラジオの面白さだと刷り込まれました」ってインタビューで書いてたけど、それそのとおりですよ。それを発展させて妄想力をつけるわけですよ。

ラジオ好きな人がちゃんといて、過去も面白かったし今からも楽しみだという雰囲気が伝わってくるいい紙面だった。

尾玉なみえ単行本10巻到達記念祝賀会に参加してきた。

尾玉なみえという漫画家をご存知だろうか。絶版漫画家とか打ち切り漫画家とか、よほど面白くない漫画を書いていることが想像させられる二つ名を持つギャグ漫画家であるが、集英社の赤塚賞を獲ったりもしてる実力派漫画家だ。

りょうすけが尾玉なみえ作品に出会ったのは大学1年の時だから1995年ぐらいの少年ジャンプ。「エスパー少年ねじめ」の連載が始まったところを借りたジャンプで見て、「これはすさまじい天才が出てきなすった!」と思ったものです。(注: ごめん。書き終わってから裏取るために調べたらジャンプでの連載だった。1995年に衝撃を受けたのは「セクシーコマンドーすごいよマサルさん」だったわ。メンゴー。)

それから毎週雑誌を借りては「ねじめ」だけ読んでたのに…20話で打ち切り。その後連載始めては打ち切り、始めては打ち切り、当時盛り上がっていたmixiの尾玉なみえコミュをウォッチしてないと新刊情報を得られないレベルまで消息不明度がアップ。それでもなんとかウォッチして今まで出てたものはキャッチアップしてたかな。

我が家にある尾玉なみえコミックスはすべて初版なんだけど、初版以降の増刷はあったのかは確認してない。

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そんな中、現在講談社で連載中の「マコちゃんのリップクリーム」が10巻発売という、二桁だぜ?二桁!というイベントが開催された。当初は赤羽ハーフマラソンに参加するので参加できない予定だったんだけど、雪で中止になったので来てみた。

会場は台場のTokyo Culture Culture。Zepp Tokyoの2階のイベントスペースって、Zeppの上にこういう場所があるって知らなかったよ。上は観覧車だけだと思ってたもん。前売り券だけで既に満席なんだけど、天候の状態などもあるので欠席者分だけ当日券が出るらしいとのことで、りょうすけともう一人が当日券で入場。

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料金を支払って空席を探そうと思うと、ステージにコミックス10巻の表紙の原画と思われるキャンバスが。やっぱりプロは作り方が凝ってるわー。

会場は横長で、中央奥にステージ、客席は長机でステージの周りを囲む感じ。もう全然見難いんだけどそこはプロジェクターとかでカバーしてるのでトークを聞くことに特に問題はない。

司会はデイリーポータルZなどで群馬ネタなどをイラストを交えて記事にしている北村ヂン氏、ゲストは過去と現在の尾玉なみえ担当編集者3名(メモによると名前はイノウエ、マスダ、オガサワラ)。投稿時代から赤塚賞受賞、デビュー、連載開始、打ち切り、連載開始、打ち切り、今に至る編集者と尾玉なみえの確執などのトーク。

途中、思春期を尾玉作品に毒された熱血ファンによるライブや、なんかよくわかんないし調べる気無いけど「あかりちゃん」とかいう元アイドル?の便乗トーク等があり、最後は「尾玉なみえ検定」の答え合わせ。オレ、1問しか答えられないでしかも間違えたわ。ちなみに一番正解した人で6問、ほとんど1,2問しか回答できないので平均点はたぶん1.5ぐらいだと思う。

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2時間のイベント退場前は前売り券番号順番で原画とか落書きとかをもらえるコーナーに。当日券なんで最後だし、今日は大きなカバンで来てないからもらっても…なので諦めて帰ってきた。

今回のイベントでの発見を箇条書きにしてみよう。

  • 「おたまなみえ」ではなく「おだまなみえ」
  • 大阪在住なんだ!
  • 打ち切りが決まった時は編集に罵詈雑言、しかし一方持ち上げるのも上手い。
  • 低所得者層が見たい、とファミレスに行くってエピソード
  • 「心が綺麗だったらあんなマンガ描けません!」
  • 「マコリプ」の表紙は3巻毎にコンセプトを変えている。
  • 「マコリプ」の売れ行きは巻数が進んでも全然下がらない。つまり固定ファンが必ず買っている。
  • ギャグ漫画家はシャイ。
  • 「お前が病気なのはカラダじゃない!」
  • 華倫変と仲が良かった
  • 浮気・婚活エピソードは一部実話

想像したとおり、濃いスピーカー・濃い客・濃い内容だった。濃いスピーカーの一部は自ら「便乗商法」となのり営業かますほど。バンドガールはいいけど、元アイドルかよくわからない文化人は何しに来たの?感でてたりでイマイチだったな。全体的に面白かったので20巻で次回とか待てないし来るかどうかもわかんないから4年に一回ぐらいのペースで定期イベントするのがいいな。

最後、スピーカーと司会のまとめで、散々尾玉なみえの悪いところを挙げたが作品に対する情熱はさすがプロと締めたのは印象的だった。あの天才を掘り起こして世に出すためには少なからず犠牲者が必要で、それは生贄で絶対必要な要素であるわけです。天才の横にそっと拳を握り我慢し続ける編集者や周辺関係者に感謝をしながら俺達は作品に向き合わねばなりません。
尾玉なみえ先生に置かれましては今後も継続してマンガを書き続けて頂きたく思います。出せば買うから!(雑誌は読まないけど)

「人生って、大人になってからがやたら長い」のサイン本ゲットだぜ。

元SEで今は独立してイラストレータしているきたみりゅうじ氏の著作のサイン本を池袋ジュンク堂で販売してるとのことなので、もともと買おうと思ってた本だしサイン本があるならそれを、と行って買ってきた。本人に会ったわけではありません。

久しぶりに行くと迷子になるね、池袋。あとジュンク堂って前からあんなに図書館の匂いしてたっけ。多分本棚の匂いだけど、ヨドバシアキバの有隣堂とかコピス吉祥寺のジュンク堂は新しいからあまり匂いしないのかな。

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書籍の内容は40歳になった著者が、子供の頃に考えてた大人になった自分が意外に子供のままで、それでも社会的な責任とか現実とか押し付けられるのをどう解釈・理解して対応していたかってエッセイ。みんなが通る道なんだけど、著者はちゃんと対応しているので十分大人に見えます。

りょうすけは今年37ですが、似たようなIT業界にいて、結婚や出産と家とも似たようなラインでならんでたので「同じようなこと考えてたなぁ」とすごく共感できた。同じように「大人になれてない」って考えているし、保険について「これだけ稼げばあとは遊べるじゃん、って考えた」という部分で「よう!俺!」と叫びたくなる。副業で書籍書いたりそれを時間単位で仕事する考え方は同じなのにこっちはすでに破綻してしまって実践にうつせてなくて、俺って本当にダメ人間だなと刺さったり。

「本当に将来考えてる?」って自分責めてしまう。あかん、こういう本はとっても参考になるけど自分を責めてしまう…。まぁ責めたら責めたで「じゃぁがんばれば?」で終わって全然進捗ないんだけど。同年代が読む本としては励まされる本でないと読めないわー。弱いもん、ココロがー。

ついでに現状分析や将来を見据えてるところで、著者の大人ぶりが溢れてきて、りょうすけみたいなダメ人間には痛く染みこんできます。自分を慰めるわけじゃないけど「大人」って、自分が「大人」って認められるかどうかだよね。りょうすけはりょうすけの理想的な大人になれるのかなぁ。なれるといいなぁ。細々とこれからも精進するかぁ。いつなれるのかなぁ。

歌って踊って絵が描けて仕事して家族と楽しく遊んで友達と飲む「大人」に、オレはなる! ← 理想としてはスゴい大人だよね!?
ということで、同じぐらいの世代の人がどんなこと考えてたかを共有できる作品です。よろしければ!